【0~2歳児向け】保育士目線で選んだ保育園で活動しやすい服装とは?

 

0~2歳児が保育園で過ごすとき、どんな服装が適しているのか気になるママやパパも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、経験豊富な保育士の先生2人に0~2歳児が保育園で活動しやすい服装について教えていただきました。

保育園用の服装選びには、汗をかきやすい、相対的に頭が大きい などの身体面はもちろん、集団生活ならではのリスクへの配慮が必要です。

家庭用の服装選びとは異なる視点が必要なポイントについても、詳しくお聞きしました。

 

この記事のPOINT

・0~2歳児が保育園で活動しやすい服装選びのポイントは「通気性」と「安全性」

・ロンパースやカバーオールなど“つなぎ”の洋服は避けるのが無難

・わざわざ購入する必要はなし!次に買い替えるタイミングでそろえればOK

 

◆0~2歳児が保育園で活動しやすい服装とは?

0~2歳児は、身体も心も著しい成長を遂げる時期。

 

保育園の0~2歳児クラスにおいても、「ミルクを飲んでは寝る」のサイクルを繰り返す赤ちゃんから、歩くのが上手になっている子まで、さまざまな成長過程のこどもがいるのが特徴です。

 

では、この時期のこどもが保育園で過ごしやすい服装とはどのようなものなのでしょうか。

 

◎Q:0~2歳児の保育園用に適した服装とは、どのようなものですか?

●A:1番重視したいのは「通気性」

 

保育園で過ごす服装を選ぶとき、こどもにとっての過ごしやすさ、活動のしやすさなど、さまざまな視点で考えることが重要です。

まず、こどもにとっての活動しやすさを考えると、1番重視してほしいのは「通気性」です。

こどもは大人に比べ汗をかきやすいことが知られています が、0~2歳の乳幼児さんはとくに発汗量が多いのが特徴。

そのため、サラサラなお肌を守ってあげるためにも、通気性のよい服を選ぶことが大切です!

 

次に、保育士の視点で0~2歳児の服装を考えたときに着目するのは、トイレやおむつ交換のこと。

1~2歳になるとトイレトレーニングがはじまりますよね。

このときに園でもよく話題にあがるが、「ロンパース問題」です。

 

親の立場からすると、「ずっとロンパースでいいのでは?お腹も出ないし、寝るときのロンパース最高!」と思われるかもしれません。

しかしロンパースの場合、こどもが「今、おむつを脱いでみたい!今、トイレに座ってみたい!」と思った瞬間に、すぐに脱がせるのが難しく、手間取っている間にやる気をなくしてしまうんです。

こどもが「今トイレがしたい」というタイミングに、すぐに対応できる環境を整えてあげるのも大事。

ロンパースがダメというわけではありませんが、保育士と保護者が協力し合い、こどものトイレへの意欲などを観察し、タイミングを見計らってセパレートの下着を用意することは必要です。[髙久6] [八代7]

 

◎Q:下着にも半そで・ランニング・長そでなど、さまざまなタイプがありますが、保育園生活に適したものはありますか?

●A:1年中、半そでの下着を推奨

 

夏、こどもにランニングタイプの下着を着ている保護者も多いと思います。

ランニングは涼しくて良いのですが、ワキ汗を吸収することができません。

前述のとおり、こどもは発汗量が多いため、とくに夏場はワキ汗もしっかりキャッチできる半そでの下着がおすすめです。

そして冬は、防寒のため長そでを着せたいと考える保護者の方も多いでしょう。

確かに長そでの下着は温かくていいのですが、着るときに下着のそでが腕のあたりでモゾモゾと重なってしまいますよね。

あのモゾモゾで、こどもはイラッとしてしまうんです。

私個人の保育感ですが、そでがモゾモゾせず、ワキ汗も吸収してくれるといった観点で、こどもの下着はランニングでも長そででもなく、「半そで」がベストだと思っています。

また、冬場によく保護者から「下着は着せるべきですか?」と質問を受けます。

その答えは「YES」。

こどもは冬もたくさん汗をかくので、「肌着は必ず着せましょう」と伝えています。

 

◎Q:保育園で過ごす服装として適していないものはありますか?

●A:汚してはいけない服装はNG!

 

具体的に絶対ダメというものはとくにありませんが、汚したくない服は保育園に持って行くべきではありません。

ときどき「義理の母からのプレゼントでもらった大切な服なので、絶対汚さないでください!」などと言われることもありますが、こどもたちは保育園で、しっかり遊んで、しっかり汚します。

そのため、汚したくない大切な服はおうちで着せてあげてください。

 

◆0~2歳児のトップスを選ぶときのポイント

次に、0~2歳児のトップス選びのポイントをお聞きしました。

乳幼児ならではの注意点を考慮しましょう。

 

◎Q:0~2歳児が保育園で使うトップスを選ぶ際のポイントを教えてください。

●A:つなぎのトップスはなるべく避ける

 

0歳の赤ちゃんがつなぎの洋服やオーバーオールを着ている姿は、とてもかわいいですよね。

でも保育士は、「かわいい!」と思いながらも、こどもを預かった瞬間、すぐに着替えさせます。

つなぎがNGの理由は、「こどもが動きづらい」「寝返りが打ちづらい」「おむつ交換がしづらい」から。

とくに、乳児にとっておむつ交換は本当に生活の一部で、「ルーティーン」です。

その煩わしさをこどもに味わわせないためにも、セパレートタイプがおすすめです。

つなぎやオーバーオールはおうちで、おしゃれにお出かけするときなどに着せてあげましょう。

 

◎Q:デザインの面で気をつけるべきポイントはありますか?

●A:シンプルかつ首まわりがゆったりしたトップスがGOOD!

 

そでや胸にレースやボンボンの飾りがついたかわいい服も、たくさんありますよね。

でも0~2歳は、何でも口に入れたがる時期。

気がついたら、服についた飾りをチュッチュッしていることも……。

そのため衛生面を考えると、保育園で過ごすトップスはシンプルなデザインが基本です。

また、スパンコールなどが縫いつけてあるデザインの場合、その飾りが保育園のなかで落ちて、別のこどもが食べてしまう、誤飲につながるといったアクシデントも起こり得ます。

このような事故を防ぐためにも、飾りのついていないシンプルなデザインのものを選びましょう。

また、首まわりがゆったりしている服を選ぶことも大切です。

乳児の身体は頭囲が1番大きく、なかには顔に何かが当たることを嫌がるこどももいます。

首元がきっちり、キュッとなっているおしゃれなデザインのベビー服もありますが、なるべく首まわりがゆったりとした洋服を選びましょう。

 

 

◆0~2歳児のボトムスを選ぶときのポイント

つなぎはNGというポイントはトップスと共通ですが、そのほかボトムスならではの注意すべきポイントをお聞きしました。

 

◎Q:0~2歳児が活動しやすいボトムスとはどのようなものでしょうか?

●A:伸縮性があり、お腹まわりがゆったりしたものがベスト

 

0~2歳児のボトムスは、動きやすく、脱ぎ履きしやすい伸縮性に富んだものがよいでしょう。

また乳児はお腹がぽっこりしているので、お腹まわりを締めつけないものを選んであげたいですね。

ちなみに、私個人はファストファッションブランドで販売されているようなズボンがおすすめです。

「伸縮性バツグン」「汚れも落ちやすい」「お腹まわりがゴムでゆったり」「履きやすい」など、乳児用のボトムスにぴったり。

またコスパもよいので、遊んで破れても罪悪感なく捨てられるのもメリットです。

 

◎Q:0~2歳児に靴下は必要でしょうか?

●A:室内では不要。外遊びでは絶対必要

 

室内では、靴下は必要ありません。

靴下はすべりやすく、転倒事故につながること、また裸足で歩くことによって、土踏まずの形成につながることが科学的に証明されていることなどが理由です。

対して、お外で遊ぶ際には、絶対に履かせたほうがよいでしょう。

靴下を履かないと、爪が引っかかったり足も靴も臭くなったりしてしまうためです。

 

◆「通気性」「安全性」を考慮したうえで徐々にそろえていきましょう

今回おすすめの服装について、いろいろお話しましたが、「無理に購入する必要はない」ことも覚えておいてほしいです。

入園が決まった乳児さんの保護者の方から、「つなぎじゃダメですか?セパレートのものを買わなきゃだめですか?」と質問を受けることがありますが、そんなことはないんです!

とくに0・1歳児の場合には、ロンパースやカバーオールなど生まれて初めて買った服しか持っていませんよね。

心配される保護者の方には、「次、買い替えるタイミングでセパレートのものを準備していきましょうね」とお伝えしています。

0~2歳児は成長著しいため、洋服もすぐにサイズアップします。

通気性・安全性はもちろん、コスパなども考えて用意してみてください。

 

 

【記事の監修】

株式会社日本保育サービス 取締役 保育統括部 部長

髙久 仁(たかく ひとし)さん

 

保育士を志したのは年長児のとき。当時の気持ちを忘れず「こどもにとってあこがれの存在になる」べく、保育士の地位向上を目標に掲げている。複数の園で通算10年間園長も歴任。現在は本部での管理職だか、自身が保育士であると心にとめている。

 

 

【記事の監修】

株式会社日本保育サービス 西日本ブロック ブロック長

柳 美沙(やなぎ みさ)さん

 

小学5年のときに保育士になると決めてから、実際に夢を実現し30年あまり。「一人の人間として尊重する」「心を折らない」をモットーに保育現場で務める。複数の園で園長も歴任。現場を熟知する視点から、現在は管理職として後進の指導にあたっている。