リユースは、3R(リデュース:Reduce、リユース:Reuse、リサイクル:Recycle)の取り組みのひとつ。
家庭などで不要になったものを別の人に使ってもらったり、中古でもまだ使用できるものを積極的に手に取ったりすることです。
本記事では、リユース品がどの程度活用されているのか、環境省の調査をもとに解説していきます。
この記事のPOINT ・リユースは不要となったものを繰り返し使用する、循環型社会実現に不可欠なもの ・環境省のリユース市場規模調査報告書によると、平成30年度のリユース市場規模は約 3兆2千億円 ・リユース市場には、まだまだ成長の余地がある |
◆そもそも「リユース」って?考え方の基本を確認!
まずは、リユースの重要性について確認していきましょう。
◎ リユースとは3Rの取り組みのひとつ
リユース(Reuse)は「3R」のひとつで、資源の無駄や廃棄物を減らすリデュース(Reduce)、廃棄物を資源やエネルギーとして再使用するリサイクル(Recycle)とともに、重要視されている取り組みです。
リユースは、誰かが使用した製品や部品などを繰り返し使用することや、それに関わる取り組みを指します。
使用済みの製品を手に取るだけでなく、使用した製品を提供することや、修理する技術、繰り返し使用する環境を整えることなどもリユースに含まれます。
◎リユースのメリット3つ
リユースには、代表的なメリットが3つ挙げられます。
ひとつは、「ごみを削減できること」。
もうひとつは、「新しい製品を購入しないこと」「廃棄しないこと」で、製造時と廃棄時に発生するCO2を抑制できることです。
さらに、地域においてはごみ処理費用の削減にもつながります。
◎循環型社会のなかで重要な役割を担う3R
3Rへの関心が高まっている背景には、社会や地球環境の変化が挙げられます。
20世紀までの社会は、「大量生産」「大量消費」「大量破棄」という考えが主流でした。
しかし、それでは環境にかかる負担が大きく、私たちの生活はいずれ立ち行かなくなります。
そこで重要視されるようになったのが、「循環型社会」の実現です。
循環型社会とは、限りある天然資源を効率的に利用し、再利用可能なものは最大限循環させながら、将来にわたり持続的に使い続けていく社会を表します。
循環型社会の実現には、3Rが不可欠です。
そして3Rのひとつであるリユースは、個人単位でできる循環型社会への取り組みの第一歩でもあります
◆リユース経験者ってどれくらいいるの?市場規模について
リユースは、実際にどれくらい人々の暮らしに根付いているのでしょうか。
ここからは、環境省のリユース市場規模調査とアンケート調査を参考に、リユース市場の規模や、暮らしへの浸透状況について解説します。
◎ リユース市場規模は3兆円以上
環境省「リユース市場規模調査報告書(平成30年度報告書)」によると、消費者の購入状況から見るリユース品の市場規模推計結果は、約3兆2千億円でした。
3年前にあたる平成27年度は約3兆1千億円で、リユース市場規模は少しずつ成長していることがわかります。
◎リユース品を売却したことがある人は調査対象の約34%
2019年に環境省によって実施された54,228人を対象とした消費者アンケート調査によると、過去1年間(2018年)で、使わなくなった物品を売却したり、引き渡したりした経験がない方は全体の66.4%でした。
つまり、リユース品の売却・引き渡し経験がある方は、全体の「約34%」となります。
◎リユース品を購入したことがある方は調査対象の約30%
同アンケート調査によると、過去1年間(2018年)で「中古品を購入したことがない」という回答は全体の「70.2%」でした。
このことから、中古品を購入したことがある方は、アンケート回答者の「約30%」にとどまることがわかります。
環境省のアンケート調査によると、リユース品を売却したことがある方もリユース品を購入したことがある方も、どちらも調査対象の3割ほどです。
リユース市場は、まだまだ成長の余地があることが伺えます。
◎ベビー・こども用品のリユース市場の傾向は?
「ベビー・こども用品」のリユース市場の傾向も、あわせてチェックしてみましょう。
●ベビー・こども用品のリユース市場は右肩上がり
同上の環境省による「リユース市場規模調査報告書(平成30年度報告書)」によると、2018年度のベビー・こども用品のリユース市場規模は「269億円」。
2015年度報告書では、ベビー・こども用品のリユース市場規模は「181億円」なので、比較すると「48.4%」も市場規模が拡大していることになります。
●不要なアイテムを自宅などで保管している割合も高い
2019年に環境省によって実施された消費者アンケート調査によると、過去1年間(2018年)に不要となったベビー・こども用品の中古品2,200個 について、自宅などで保管されている割合が「69.3%」ともっとも高い結果に。次いでリユースショップ店頭での売却が「10.5%」、友人・知人へ譲渡・売却が「4.8%」、フリマアプリで売却が「4.3%」となっています。
●自宅保管はもったいない?
不要となったベビー・こども用品を自宅保管しているケースは、消費者アンケート調査によると7割近くです。
しかし、ベビー・こども用品のリユース市場規模が拡大していることから、リユース品への関心が高まっていること、リユース品を必要としている家庭が増えていることがわかります。
これらを考慮すると、自宅保管はもったいない選択肢かもしれません。
出典:環境省「リユースの今がわかる本」
出典:環境省「平成30年度リユース市場規模調査報告書」
◆捨てる前・買う前にワンアクション!気軽にリユース
リユース市場はゆるやかに拡大しており、ベビー・こども用品の市場に関してはとくに成長が顕著です。
もし家庭に「もう我が子は使わないな」「しばらく保管していたけど、誰かに使ってほしいな」といった物品があれば、捨ててしまう前にリユースに出してみてはいかがでしょうか。
また、積極的にユーズドアイテムを取り入れるのも立派なリユース活動です。
中古のアイテムは新品よりもお得に手に入るメリットなどがありますよ。
◆身近なものからリユースしてみよう
子育て用品やこどもの衣類は、こどもの成長にともない「まだ使えるけど手放す」ケースが多いアイテムです。
なんとなく家庭で保管していたものや、破棄しようとしていたものが、誰かにとっては「宝物」となるケースも。
もったいないを未来につなぐプラットフォーム「コドメル」では、こども服やおもちゃの寄付を募集しています。
「ちょっと捨てるにはもったいないな」というものがあれば、ぜひコドメルを利用してみてはいかがでしょうか。