洋服とサヨナラするとき、どんな方法がある?

 

持続可能を意味する「サステナブル」が叫ばれるようになってから、「リサイクル」や「リユース」という言葉が頻繁に使われるようになりました。

リサイクルやリユースできる商品には様々あり、今回紹介する服もその1つです。

服が作られ捨てられるまでには、原料の調達や製造、輸送、廃棄などの工程があり、それぞれの工程で環境に悪影響を与えています。

そこで今回は、服による環境への影響や捨てられた服がどこに行くのか、実際のリユース市場はどうなっているのかなどを、環境省の調査をもとに見ていきましょう。

 

この記事のPOINT

・不要になった服を手放す方法には、「譲渡・売却」「地域や店舗で回収」「廃棄」などの方法がある

・手放した服をリサイクルやリユースする割合は、全体の34%でしかない

・出生率低下や少子化傾向にもかかわらず、ベビー・こども用品のリユース市場は拡大している

 

 

捨てられた服はどこに行く?

サイズが小さくなった服や破れてしまった服など、「もう着られない」「捨てる」と判断した場合、どのような方法で手放していますか?

 

◎不要になった服を手放す方法は3種類!リサイクルが進まない理由とは

環境省の調べによると、不要になった服を手放す方法には3種類あります。

・リサイクルショップなどで譲渡や売却

・地域や店舗で回収してもらう

・可燃ごみや不燃ごみとして廃棄

割合でいうと、「ごみで廃棄する」を選んだ方が「68%」で最多です。

リサイクルショップやフリマアプリなどを活用すれば、購入時よりも値段は大幅に下がるかもしれませんが、お金を得られる可能性があります。

それにもかかわらず、どうしてごみで廃棄する方が最多なのでしょうか?

環境省のアンケートによると、「75%」の方が「処理に手間や労力、費用がかからないから」と回答。

たしかに、リサイクルショップやフリマアプリを活用して譲渡や売却しようとすると、以下のようなデメリットが考えられるでしょう。

・店舗まで持って行かなくてはならない

・フリマアプリに登録して手続きしなければならない

・配送の手続きをしなければならない

・高値で売却できるように洗濯やほつれ直しなどを行う必要がある

こういったデメリットを考えると、廃棄を選択するのも納得できます。

リサイクルやリユースを消費者に求めるのであれば、「手間・労力・費用」がかからない方法を作り出す必要があります。

その方法が消費者にとってメリットが大きければ、自然とリサイクルやリユースへと意識が向いていくでしょう。

 

◆数字で見るリユース市場規模

不要となり手放した服のうち、リサイクルやリユースされる服の割合は、全体の「34%」ほどです。

この割合は年々増えていますが、もっとリサイクルやリユースを活用する余地はあるでしょう。

ここでは、環境省が行った「平成30年度リユース市場規模調査報告書」をもとに、服やベビー・こども用品のリユース市場規模について詳しく紹介します。

 

◎リユース市場規模の変化

2015年と2018年を比べると、ブランド品を除く「衣類・服飾品」や「ベビー・こども用品」のリユース市場規模は15%以上増加しており、「ベビー・こども用品」にいたっては「48.4%」増加しています。

この他にも、テレビや洗濯機・冷蔵庫・エアコン、その他の家電製品、ゲーム機器、ブランド品、玩具・模型、スポーツ・レジャー用品の項目で10%以上の増加になっています。

このように、リユース市場規模は拡大傾向にあり、多くの方たちがリユースに興味を持ち始めていることがわかるでしょう。

 

◎リユース品の購入経路とは?

それでは、消費者はどういったところからリユース品を購入しているのでしょうか?

ここでは、リユース市場規模が大幅に伸びている「ベビー・こども用品」のリユース品購入経路の変化について紹介します。

「ベビー・こども用品」のリユース市場規模は、2012年と2015年を比べると5%減ですが、2015年と2018年では先述したとおり大幅に増加しています。

また購入単価についても2012年と2015年を比べると7.2%減ですが、2015年と2018年の比較では「78.9%増」と大幅な増加になっています。

これほどまでに大幅な増加になった背景に、流通経路の変化も考えられるでしょう。

 

流通経路別の市場規模を見てみると、フリーマーケットやバザーにて購入する方は減少していますが、その他の購入経路ではすべて増加しています。

とくにインターネットショッピングサイトでの購入やフリマアプリでの購入は、大幅に増加しているのが特徴です。

インターネットなどを活用することで、店頭に行かなくても購入や出品ができる環境が整ったために、こういった変化が表れたのでしょう。

そもそも日本では、出産率の低下や少子化が問題視されていますが、一方で「ベビー・こども用品」のリユース市場規模は大幅に拡大しているのです。

つまり、それだけ「ベビー・こども用品」を必要とする世代がリユース品に興味を示していることです。

出典:環境省「平成 30 年度リユース市場規模調査報告書」

 

◆「もったいないを未来につなぐ」コドメルの位置づけとは?

ここでは、「もったいないを未来につなぐ」をコンセプトに掲げる「コドメル」について紹介します。

 

◎「コドメル」って?

「コドメル」とは、「アスク」や「GENKIDS」保育園を運営する株式会社JPホールディングス(2022年4月~株式会社日本保育総合研究所)が運営する子育て支援プラットフォームです。

乳児期や幼児期、学童期などで必要になるサービスや商品、子育て情報などを提供する目的で誕生しました。

 

◎具体的にどんなサービスを行うの?

コドメルが展開するのは、ベビー用品やこども服など子育て関連の用品をメインにしたリユース品の寄付や、WEB上で出品・購入できるようなマッチングサービスです。

また、子育て情報や子育て世代に需要の高い商品の情報、サービスを提供します。

寄付の場合の具体的な流れは以下の通りです。

1.使わなくなったおもちゃやサイズアウトした服などを寄付BOXへ

2.クリーニング後、コドメルHPへ品物を掲載

3.必要な方がHPを見て希望すれば、その方へ品物を送ります

また、ユーザー同士が個々にリユース品を出品・購入することが可能です。

事前にユーザー登録が必要になるため、ぜひ登録しておきましょう。

 

◆未来のこどもたちのために環境に配慮した生活を取り入れよう

環境問題は私たちの生活に今すぐ影響することは少ないかもしれませんが、少しずつ悪化することでこどもたちの未来に直結します。

服一着を作るだけでも、また服を廃棄する際にも環境に大きな負荷をかけています。

できるだけ環境への負荷を減らすためにも、リサイクルやリユースを意識していきましょう。

ベビーやこども用品のリユースに興味のある方は、下記からチェックしてみてくださいね。