一年あたりどのくらいの洋服を買って・捨てている?データで見る「服の一生」

 

日常生活の必需品である服。トレンド服が安価で手に入るファストファッションの台頭以降 、服はより気軽に買えるようになりました。

一方その弊害として、1着の寿命が短くなり、大量の服が廃棄されていることが今、問題となっています。

この記事では、1人あたりの服の年間消費量をはじめ、様々な数字から服をとりまく現状をご紹介。「寄付」など、これからより求められる服の手放し方についてもお伝えします。

 

この記事のPOINT

・年間18枚の服を買って12枚を手放す!大量生産・大量消費が今問題になっている

・現在は「廃棄」が主流に!服を循環するリサイクルやリユースはたったの34%

・服の手放し方に新たな選択肢を!こども服には「寄付」がおすすめ

 

服をとりまく現状!1年間の消費量はどのくらい

今、日本国内では服をとりまく状況が大きく変化しています。

環境省が2020年度に公表した「ファッションと環境」調査結果をもとに、身近な数字でその現状を見ていきましょう。

 

◎1方あたり18枚買って、12枚手放している

環境省の調査では、1人あたり年間「約18枚」の服を購入し、「約12枚」を手放していることがわかりました。

春夏秋冬の季節ごとで考えると、1シーズンに4~5枚購入し、3枚手放している計算です。

また、1枚あたりの服の価格は約30年で3,500円以上安くなり、服の供給量は増加。

つまり、現在の日本のファッション市場は、より安く・より多くの服が供給される「大量生産・大量消費」の状態となっているのです。

 

◎1年間に1回も着ない服は25枚

さらに、1年間に一度も着用しない服の枚数については、1人あたり「25枚」。

「いつか着るだろう」と保管してある服が、25枚程度あることになります。

これらの服もいずれは何らかの形で、手放される可能性が高いものです。

出典:環境省「SUSTAINABLE FASHIONこれからのファッションを持続可能に」

 

 

服を手放す3つの方法!環境に与える影響とは

ここからは、服を手放す方法について見ていきましょう。

 

◎1.売却や寄付などの「再流通」

「再流通」は、着なくなった服を別の誰かがリユース(再利用)する方法です。

フリーマーケットアプリやリサイクルショップなどを通じた再販売や寄付など、その服を必要とする別の方へと引き継がれていきます。

手放される服の「14%」は、こうした再流通が行われています。

 

◎2.資源として「回収」

「回収」は、地域や店舗が着なくなった服を引き取り、資源として再利用する方法です。

回収された服は、海外への輸出や再び原料レベルに分解される再資源化によって、リサイクルもしくはリユースされています。

服を手放す方法として回収を選ぶ方は、全体の「18%」です。

 

●手放した後に循環される服は全体の34%

ここまで見てきた「再流通」と「回収」は、着なくなった服をすぐに捨てず、循環させていく方法です。

必要とする誰かの手に渡ったり、新たなものへと生まれ変わったりしながら、長く利用されます。環境への負担も少ないことが特徴です。

しかし、こうして循環される服は全体の「34%」しかありません。

大半の服は、「廃棄」されているのが現状なのです。

 

◎3.可燃・不燃ごみとして「廃棄」

「廃棄」は、可燃・不燃ごみとして服を捨てる方法です。

可燃ごみのごく一部は再資源化されるものの、大半は焼却施設へと運ばれ、燃やしたり埋められたりして処分されます。

服を手放したいと考える「68%」の方が、廃棄を選んでいるのが現状です。

 

●1日に廃棄される服の量は大型トラック130台分

廃棄が選ばれる理由のほとんどは、手間や労力がかからないため。

こうして廃棄される服の量は年間約48万トン。

1日に換算すると、大型トラック130台分もの服が毎日焼却・埋め立て処分されています。

しかし、この選択が、じわじわと自分たちの生活環境を脅かしているのです。

 

服が環境に与える影響は大きい!

服を1枚作るときには、CO2(約25.5kg)を排出し、水(約2,300L)を消費します。

同じだけの二酸化炭素を排出すれば、500mLのペットボトルを「約255本」製造でき、水は浴槽「約11杯分」を消費していることになります。

こうした現状から、ファッション市場は次のような環境変化に大きな影響を与えていると考えられています。

・地球温暖化

・水不足

・マイクロプラスチックの排出

1人ひとりが服の選び方や着方、手放し方にまで意識を向けることが、これからの課題といえるでしょう。

出典:環境省「SUSTAINABLE FASHIONこれからのファッションを持続可能に

出典:環境省「ファッションと環境 調査結果」

 

 

服の手放し方に「寄付」という新たな選択肢を!

ここからは、これからの服の手放し方について、様々な視点から考えてみましょう。

 

◎サステナブルファッションに関心がある方は6割

サステナブルファッションとは、これからも持続できる形で服の製造から着用、廃棄までを考えていく取り組みのこと。

地球環境はもちろん、方や社会にも配慮することを目指しています。

現段階では、日本国内の約6割がサステナブルファッションに関心を抱き、具体的な取り組みを行っている状況です。

また、様々な企業が個方とサステナブルファッションをつなぐサービスを提供し始めています。

 

◎服による環境悪化を防ぐために私たちにできる3つのこと

では、ファッションを楽しみながらも環境悪化を防ぐために、私たちはどのようなことができるのでしょうか。

具体的な3つの方法を見ていきましょう。

 

●もっている服を長く着る

手元にある服を今よりも1年長く着たら、日本全体では4万トン以上の廃棄量が削減されます。

そのため、もっている服を長く着ることは、環境悪化を防ぐ有効な対策といえるでしょう。

また、大切に着るために、日頃の手入れやリペアも重要です。

服の手入れ方法やケアについても理解を深めていきましょう。

 

●服の作られ方にも注目を!

服がどのように作られているのか、そのストーリーに目を向けることも、サステナブルファッションにつながる取り組みです。

商品のタグや表示ラベルなどを見て、ファッション業界全体に関心をもつと、新たな世界が広がります。

また、なかには再生原料から作られる服も増えてきました。

新品の原料とは異なる作り手の想いに触れてみるのも、新しい出会いとなるでしょう。



●リユース(再利用)を活用する

近年、様々なものやサービスをシェアする取り組みが拡大しています。

1枚の服をリユースし、世の中全体でシェアするようなファッションレンタルサービスが増えてきました。

もちろん、フリーマーケットアプリやバザーなどで古着として販売するのも、効果的なリユース方法です。

服を服として、長く再利用し続けることは、環境にも優しく経済的でしょう。

出典:環境省「SUSTAINABLE FASHIONこれからのファッションを持続可能に

 

サイクルが早いこども服は「寄付」もおすすめ!

大方の服と違い、成長に合わせて買い替えるこども服は、消費サイクルが早いもの。

なかには、せっかく購入してもこどもが気に入らず1~2回しか着ていない服もあるかもしれません。

お下がりをあげられるような環境でない場合、それらのこども服は廃棄の対象となるでしょう。

コドメルでは、こうした「もったいない」こども服やおもちゃを、寄付という形でお預かりし、必要としている方へと届ける取り組みを行っています。

 

◆衣服をとりまく環境を変える新たな選択を!

服の大量生産・大量消費による環境への負荷が、今大きな問題となっています。

地球温暖化や水不足など、最終的には自分たちの生活を脅かす問題ばかりです。

こうした状況を変えるには、1人ひとりの意識と選択を変えることが大切です。

廃棄が半数以上を超える現状から、循環型の選択をどれだけとれるかが、私たちの「これから」を決めます。

まずは、ご自宅にある「捨てるにはもったいない」ものたちを、コドメルで未来へとつないでみませんか?