日増しに暑くなり、こどもの保育園での夏服をどうするか悩むパパママも多いのでは?一般的に、汗をかきやすい季節はこまめな着替えが必要といわれますが、「保育園には何を着ていくのが正解?」「何枚準備しておけば安心できる?」など、具体的なアドバイスを知りたいですよね。そこで経験豊富な現役保育士の先生に、保育園に適した夏服や、準備しておきたい衣類の枚数について伺いました。

 

この記事のPOINT

・汗をかきやすい季節は年齢によっては1日に3回以上着替えることもある

・保育園での夏服は少ない枚数をヘビロテするより余裕を持った枚数を着まわすのがおすすめ

・保育園での夏服を選ぶ際は「着替えやすさ」と「動きやすさ」を重視

 

◆夏の保育園着の必要枚数

保育園での夏服は、どのようなものをどれくらい準備するのが正解でしょうか。まずは着替えの頻度や必要な夏服の枚数を伺いました。

 

◎Q:保育園では1日に何枚くらいの衣類が必要ですか?

●A:最低3セットの衣類があると安心

夏の保育園着は、トップス、ボトムス、下着をワンセットとして、園に保管しておく予備を含めて1日に3セットほど準備しておくと安心です。

昼食後や昼寝後などタイミングは保育園によって異なりますが、多くの園で最低1回以上のお着替えタイムが設けられています。

加えて夏場は、汗をかいたり汚れたりするごとにこまめに着替えをする園もあり、多めの衣類が必要です。

学年が上がるにつれ、保育園での着替えの回数は減る傾向にありますが、乳児の場合は1日に3回以上着替えるケースも。着替えは多めに準備しておくに越したことはありません。

 

◎Q:シーズンを通して保育園用にどれくらいの夏服を準備すべきでしょうか?

●A:トップス、ボトムスそれぞれ10着は用意しておきたい

保育園で1日に3セットの衣類が必要と考えると、洗い替えを含めてトップス、ボトムスそれぞれ10枚は準備しておきたいところです。さらに枚数があれば、余裕をもって着まわすことができます。

夏服は枚数勝負。少ない枚数の服をヘビロテさせるより、たくさんの服を着まわすほうが、衣類が傷みにくいですよ。

きれいな状態の服はサイズアウトしても、兄弟・姉妹間でおさがりとして活用したり、コドメルで次の人に使ってもらったり、長い期間に渡って楽しむことができます。

 

◆夏の保育園着を選ぶ際のポイント

こどもと過ごす時間が長い保育士の先生ならではの視点で、夏服を選ぶ際のポイントを伺いました。保育園ごとに細かいルールが決められている場合もありますが、ぜひ参考にしてください。

 

◎Q:夏服を選ぶ際のポイントを教えてください

●A:着替えやすく、汚れても大丈夫な服が基本です

保育園着は、「保育士が補助して着替えさせやすい服」や「園児が自分で着替えやすい服」を選ぶことがポイントです。

保育園では年齢が上がると、こどもが自分で着替える機会が増えます。そんなとき、脱いだり着たりしやすい服なら着替えがスムーズに進み、ストレスを感じることなく次の活動へ移ることができるでしょう。

自然な流れで着替えのスピードを競うこどもたちもいます。こどもたちは早く着替えられると嬉しく、自信がつくようです。

一方で、ひとりでは着替えにくい服でもたついてしまうと、着替えに対して苦手意識を持ってしまうことも……。着替えやすさはこどものためにも重視してあげてください。

着替えやすい服としては、トップスはボタンが多いブラウスやシャツよりも、シンプルな半袖Tシャツがおすすめです。

ボトムスなら、デニムよりもレギンスやウエストゴムのハーフパンツのほうがスムーズに脱ぎ着できます。靴下も自分で簡単に履けるよう、ハイソックスよりも足首丈やくるぶし丈といったショートソックスを選んであげるといいですね。

また、保育園着は「汚れても大丈夫な服」を選ぶこともポイントです。

保育園では外遊びやお絵描きなど、活動を通して服が汚れてしまうことが多くあります。

自由な発想で遊ぶこどもたちに、服を汚さないよう活動させるのは無理な話。保育園着はぜひ汚れること前提で選んでください。

ハイブランドのおしゃれ着や大事な服は家庭で楽しみましょう。

 

◎Q:夏服を選ぶ際のサイズにおすすめはありますか?

●A:ややゆったりめの服が動きやすい

こどもたちは保育園で活発に動き回ります。そのため、「動きやすい大きさの服」を選ぶこともひとつのポイントとなります。

ピタッとした服よりは、ゆとりのある服のほうが動きやすいですよ。トップスもボトムスも、ワンサイズ大きめを選んでも良いでしょう。

 

◎Q:夏服おすすめの素材はありますか?

●A:汗を吸収する綿素材がおすすめです。

汗をかきやすい夏は、汗を吸収してくれる綿素材の衣類が適しています。

 

◎Q:おすすめの色やデザインはありますか?

●A:汚れが目立ちにくい色や、こどもが喜ぶデザインがおすすめです

保育園着の汚れが気になるご家庭は、白よりもグレーやブルー、赤などを選びましょう。ダークカラーなら汚れもさほど気になりません。

こどもの自発的な着替えを促すなら、こどもが喜ぶデザインのアイテムを準備しておくこともおすすめです。

好きなキャラクターやモチーフがデザインされた衣類だと、保育園での着替えがはかどります。たとえば電車好きのこどもなら、電車がデザインされたTシャツや靴下を準備してあげると良いですね。

 

◎Q:とくにおすすめの夏服はありますか?

●A:ファストファッション店のレギンスは着替えやすくて動きやすい

夏服としておすすめは、ファストファッション店で購入できるレギンスです。

5分丈~10分丈まで様々なラインナップがありますが、便利なのは7分丈。ワンサイズ大きめを選ぶのがポイントです。着替えやすく、動きやすいですよ。

洗い替え用にまとめ買いしやすい価格も魅力ですね。

 

◆保育園着として避けたい夏服とは

保育園に適さない夏服とは、どのようなものなのでしょうか。安全面も考慮して選ぶ必要がありそうです。

 

◎Q:保育士の視点からおすすめしないデザインはありますか?

●A:着替えにくい服と華美なデザインの服は控えましょう

保育園着は、着替えやすさ、動きやすさ、安全への配慮が大切です。着替えにくい服や、安全が確保できない華美なデザインの服は避けてほしいと思います。

着替えにくい服としては、ボタンが多いブラウスやオーバーオール、タイトなデニムなどが挙げられますね。

動きにくい服や安全面が気になる服としては、破損やひっかかりが心配なレース素材のスカートやフード付きの衣類などがあります。

スパンコールやビーズといった装飾が多い衣類も、破損したパーツを園児が誤飲してしまうリスクがあるためおすすめできません。

 

◎Q:夏場の保育園で長袖は必要ですか?

●A:基本的に必要ないと考えてOK

保育園で過ごす時間帯は暖かいため、夏場であれば基本的に長袖は必要ありません。

こどもが心配で厚着をさせる保護者もいますが、こどもたちは元気に動きまわるため、長袖だと暑く感じてしまいます。家庭と保育園は環境が異なることを考慮して、夏場の保育園では薄着を心がけてください。

心配であれば保育士さんに服装の相談するのもひとつの手段。保育園でのこどもの様子を参考にして服装を決めても良いですね。

 

◆夏のお着替えはココに気を配って!

最後に、夏の着替えのポイントを伺いました。

 

◎Q:夏場の着替えのタイミングを教えてください

●A:汗をかいたらこまめに着替えましょう

汗をかいた時点で着替えることが理想ですね。あせもなど皮膚トラブルの観点からも、こまめに着替えてしっかりと汗を拭き、肌を清潔に保つことが大切です。

保育園では、汗を多くかくこどもは着替えの回数を増やすなどの対応をしていますよ。

夏場は汗をかいて水分補給をして…の繰り返しです。ご家庭でもぜひこまめな着替えを意識してみてください。

 

◎Q:夏場の服装で意識すべきことはありますか?

●A:通気性が良い服で薄着を心がけましょう

夏場は保育園でもご家庭でも、通気性の良い服装を基本としましょう。こどもは汗をかきやすいため、薄着を心がけてくださいね。

 

◆保育園の夏服は「着替えやすさ」と「動きやすさ」を重視

保育園での夏服は、「着替えやすさ」と「動きやすさ」がポイント。Tシャツとレギンスといったシンプルな組み合わせがおすすめです。

学年が上がるとこどもが自分で着替える機会が増え、着替えやすい衣類はこどもの「着替えに対する自信」につながることもわかりました。

たっぷりと汗をかく保育園ではたくさんの夏服が必要です。ぜひコドメルも活用しながら余裕を持った枚数の夏服を準備してください。

【記事の監修】

アスク池袋本町保育園 園長 エリア長

中本 瑞穂(なかもと みずほ)さん

 

自身も小2と年中の男児を子育中。職員にとって働きやすい職場づくりを追求し、実践している。20年近くの保育士歴を持ち、複数の園で管理職も歴任。子どもたちの成長を見守れる保育士という仕事に、働く職員が自信と誇りをもてるように日々奮闘中。