【学童クラブの先生に聞いた!】夏休みを有意義に過ごすための心がけとは

こんにちは!
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日本保育サービスのグループ会社、日本保育総合研究所による子育て支援サイトコドメルです。

 

梅雨が明ければ、夏休み目前です。しかし、小学校低学年のこどもがいる家庭からは、「長期休みをどのように過ごしたらいいか毎年悩む」、「夏休みを有意義にしてあげたいけど、ダラダラ過ごしてしまいがち」といった声がチラホラ。

 

そこで今回は、学童クラブの先生に夏休みを有意義にするための心がけを聞いてみました。コロナ禍の夏休みだからこそ意識したいポイントもご紹介していきます。

 

この記事のPOINT

・夏休みはこどもが学校から解放され、のびのびと過ごすことで心がグッと成長する期間

・長期休みはメリハリをつけた生活を意識!こどもといっしょにスケジュールを立ててみよう

・夏休みはパパママも適度に手を抜いて頑張りすぎないことが楽しく過ごすコツ


 

夏休みはこどもにとってこんな期間

夏休みはこどもにとってどのような期間なのでしょうか。長期休みを有意義に過ごすために、夏休みをどうとらえるべきか教えていただきました。

 


Q:夏休みは低学年のこどもにとってどのような期間でしょうか?

A:学校から離れてのびのびと過ごすことができる期間

約1カ月半という長い休みである夏休みは、小学校低学年のこどもたちにとって学校から解放される楽しみな期間です。

学童クラブの場合は、朝から晩まで職員やお友達と関わることでいろいろな経験ができる特別な期間でもあります。学童クラブへ通ってくる生徒たちの表情を見ると、平日放課後と夏休みの朝の顔つきはまったくの別物。「よし遊ぶぞ!」といった様子で、みんな生き生きとしていますよ。

 


 

Q:夏休みの前後でこどもはどう変化しますか?

A:夏休みで良くも悪くもこどもは成長します!

夏休み期間でこどもは良くも悪くも成長します。学童クラブでは異学年交流があるため、夏休みを経て面倒見が良くなっているこどももいれば、少し背伸びした言葉遣いになっているこどももいて、変化が様々です。

夏休み開始時は緊張した面持ちで通っていたこどもが、夏休み明けには打ち解けて素を出してくれるようになるなど、嬉しい変化もあります。

 


 

Q:学童クラブでは夏休みに向けてどのような準備を行っていますか?

A:意識しているのは「メリハリをつけたスケジュール」と「退屈しないアクティビティ」

夏休みの学童クラブでは朝から晩まで長い時間を過ごすため、メリハリをつけたタイムスケジュールを意識しています。

1日のなかで学習時間を確保する、自由遊びの時間を作る、お昼寝の時間を作る、などです。

また、退屈しないアクティビティも大切ですね。夏ならではの行事であるスイカ割りや、段ボール工作、学童クラブ同士の交流を企画したことも。

「こども会議」と称して、みんなでやってみたいことを協議して活動を決めることもあります。

 


 

Q:夏休みを有意義に過ごす準備として家庭で応用できることを教えてください

A:親子で1日、1週間のスケジュールを組んでみては?

学童クラブでは1日のスケジュールをある程度決めているため、夏休みでも生活習慣が乱れにくい特徴があります。

そこをヒントに、家庭でも夏休みに向けて親子でスケジュールを作成してみてはいかがでしょうか。なにも決めずに夏休みを迎えてしまうと、ダラダラと過ごして終わりになってしまうかもしれません。

スケジュールを考えるときのコツは、ある程度こどもに決定権を持たせること!親が決めるより、こども自身で決めたことのほうがやる気を出してくれますよ。

 


 

Q:夏休みの宿題がネックという親子が多いようです。進め方のコツはありますか?

A:スケジュールに組む込むなら午前中!こどものタイプにあわせて計画を

学童クラブでは午前中に宿題の時間をとっています。すべきことを先に終わらせてしまったほうが、気兼ねなく遊べるのではないでしょうか。

毎日宿題の時間をスケジュールに組んでもいいですし、宿題をやらない「ご褒美デー」を企画してもいいと思います。こどもの性格にあわせて、計画的に進められるよう道筋を立ててあげることが理想です。

 


 

Q:夏休みを有意義に過ごすにはどんなことを意識したらいいでしょうか

A:生活習慣を乱さないことがポイント!

夏休みは夜更かしなどで生活習慣が乱れがちです。学校がないからとダラダラせず、メリハリをつけた生活を意識してほしいと思います。先ほどご紹介した、「親子で夏休みのスケジュールを作る」ことは、メリハリのある日々を過ごすのに役立ちますよ。

また、夏休みを利用して植物を育ててみるのもおすすめです。毎日決まった時間にお世話をしたり観察したりすると、生活にリズムができます。

ぜひ日々の成長過程や変化が目に見えてわかりやすい植物を選んでみてください。

 


 

Q:コロナ禍での夏休みだからこそ気をつけたいことはありますか?(2022年7月現在)

A:マスクをしているときの熱中症に注意

暑い夏は、熱中症への警戒や日々の体調管理が大切です。コロナ禍ではマスクの熱中症への影響も気になります。暑いなかでのマスクは、息苦しくなったりストレスを感じたりすることもあるでしょう。

人と人との距離を充分に確保できる外遊びタイムなどでは、適宜外すなどの対応も必要だと思います。水分補給も重要ですね。

体調管理の面では、冷たい飲み物や食べ物ばかりを選ばず、温かいものも口に入れてほしいと思います。温かいお風呂に入ることも大切です。

 


 

Q:テレビやタブレット端末の活躍が増える家庭もあるかと思います。どうお考えですか?

A:健全な付き合い方ができればプラスとなるもの

コンテンツの中身を親が確認する、時間を決める、など健全な付き合い方ができればテレビやタブレット端末は悪いものではないと思います。

テレビをゆっくり見る時間はこどもにとって休息になりますし、その間に親は休むことができます。ご褒美として、学習への動機づけとなるようなアプリやゲームをプレイする時間を作ってもいいですね。

 


 

Q:「夏休みが憂鬱……」そんなパパママへ先生からアドバイスをお願いします!

A:「頑張りすぎない」がポイントです!

夏休みは保護者とこどもが一緒に過ごす時間がグッと増えます。なかには「夏休みを充実させないと……」とプレッシャーを感じているパパママもいるかもしれません。ですが、頑張りすぎなくて大丈夫です。

無理せず、手抜きをしたり、誰かに相談したりしながらストレスをためずに過ごしましょう。困ったら地域の相談窓口だってあります。夏休み限定の習い事を取り入れるなどもアリです。

親に余裕がないと、こどもにも伝わります。親も笑顔で過ごすことが、夏休みを有意義に過ごすコツですよ。

明るい気持ちで新学期のスタートをきれるよう、家庭でも楽しく過ごしましょう!

 


 

Q:夏休みに学童クラブを活用するご家庭へアドバイスをお願いします

A:うまく手抜きをして堂々と預けてください!

学童クラブを活用しているご家庭にとっては、夏休みのお弁当が負担かもしれません。ですが、大変なときは堂々と手を抜いてください。

パン屋さんのサンドイッチをお弁当箱に詰める、めんつゆを水筒に入れて素麺をお弁当に持たせる、といったアイデアもありますよ。保護者は手抜きに罪悪感を覚えることもあるかもしれませんが、いつもと違うお弁当にこどもは案外喜びます。

時間があれば、ちょっとしたメモ書きで手紙をお弁当につけてあげるなど、違う形で愛情を表現してもいいですね。

夏休みでも、ぜひストレスを感じずにこどもたちを学童クラブへ送り出していただけたらと思います。

 


 

Q:学童クラブでこども同士が打ち解けやすくなるコツはありますか?

A:低学年のこどもなら将棋やカードゲームの習得を

低学年のこどもが学童クラブで他学年の生徒と遊べているか心配…というパパママもいるかもしれません。そんなときは、こどもへ「ちょっと背伸びをした遊び」を伝授するのがおすすめです!

具体的には、将棋やカードゲームなど。上級生といっしょに将棋をさしたり、カードゲームができたりすると、自然と遊びの輪に入ることができますよ。

これから学童クラブを活用しようと考えているご家庭でもぜひ参考にしてください。

 


 

夏休みを有意義に過ごすコツはメリハリの意識!

長い期間学校から離れる夏休みを有意義に過ごすコツは、メリハリを意識した生活を送ることです。こどもといっしょに1日のスケジュールを立てたり、イベントを企画したりすると、生活にハリができて楽しみが増えます。

パパママは頑張りすぎないこともポイント。ぜひ手抜きもしながら、夏休みを笑顔で過ごしてください。

 

【記事の監修】

調布市うえのはら第1・第2学童クラブ 施設長

中島 準規(なかじま じゅんき)さん

「職員も子どもも楽しめる施設作り」「自己肯定感を高める育成」を第1に施設運営をおこなっている。3施設の学童施設長を10年間務めており、今年度よりエリア班長も兼任。様々な自治体での勤務経験を活かし、他の先生方と一緒により良い施設作りを目指している。