【0~4歳児対象】知育玩具の選び方やこどもと一緒にごっこ遊びを楽しむ方法

こんにちは!
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こどもの成長や発達によい影響を与えるイメージのある「知育玩具」や「ごっこ遊び」。

しかし、具体的に知育玩具とはどのようなおもちゃなのか、どれを選べばいいのか、こどものごっこ遊びに大人はどう関わればいいのかなど、様々な疑問を抱く保護者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、0~4歳児の保護者を対象に、知育玩具の概要や選び方、年齢別のごっこ遊びの違いや大人の関わり方などについて、2名のベテラン保育士に詳しく教えていただきました。

 


この記事のPOINT

・こどもとの関わりのなかで保護者が意図を持って選べば、何でも知育玩具になりうる

・自宅でのごっこ遊びに準備すべきアイテムはとくになし!必要なのは安全な環境づくり

・知育玩具で遊ぶとき、ごっこ遊びをするときには、必ず大人も一緒に!


 

Q:知育玩具とは、具体的にどのようなおもちゃ?

A:五感を刺激し、脳の発達を促すおもちゃ

触ったり、音が聞こえたり、赤ちゃんであれば味わったり、といった五感を刺激し、脳の発達を促進するおもちゃであれば、すべてのおもちゃが知育玩具といえるのではないでしょうか。

お店で販売されているおもちゃには、知育玩具とそうでないものがあります。それは、「〇〇監修」「〇〇共同開発」など、エビデンスを取って販売しているかどうかの違いだけ。

保育士目線での知育玩具とは、承認を得ているか否かではなく、脳を刺激できるおもちゃであれば何でも当てはまると考えます。

 


 

Q:年齢別の知育玩具の選び方は?

A:乳児は脳を刺激できるおもちゃ、幼児なら複数の遊びが同時に楽しめるおもちゃ

0歳の赤ちゃんであれば、握ったり、しゃぶったり、といった五感を刺激できるおもちゃが知育玩具の入り口なのかなと思います。

代表的なものとしては、「つみき」がありますね。同じつみきでも、1歳になると「触る」「味わう」から、「積み上げる」「積んだものを壊す」といった遊びへと発展します。

3~4歳になれば、つみきで造形ができるようになってきます。

そのほか、球体に丸・三角・四角などの様々な形の穴があり、型はめをするおもちゃや、板同士が磁石でくっつき、いろいろな形を作って遊べるパズルなども知育玩具として定番ですよね。

保護者のなかには、知育玩具を選ぶ際に対象年齢を気にされる方もいらっしゃいますが、さほど気にする必要はないと考えています。逆に、対象年齢がこどもの年齢に合っているからと購入し、ただ与えるだけでは知育にはなりません。

大切なのは対象年齢を合わせることではなく、どのおもちゃであっても大人がこどもに合わせて遊び方を導いたり、提案したりすること。そうすると、脳がしっかりと刺激され知育につながるでしょう。

ただし、事故防止の観点では対象年齢をしっかりと確認し、おもちゃを選ぶ必要があります。

誤飲の心配がある小さなパーツを使うおもちゃを乳児に与えたり、フタの開閉で指を挟みケガをしたりする恐れがあるものなどを、対象年齢以下のこどもに与えないようにしましょう。

 


 

Q:知育玩具をこどもに提供する際に注意すべきことは?

A:大人がこどもにしっかりと関わり、意図を持って提供することが何より大切

前述のとおり、捉え方によってどんなおもちゃでも知育玩具になります。

しかし、意図もなく「知育玩具として売られていたから」「今流行っているおもちゃだから」と買い与えるだけでは知育にはなりません。

また同じおもちゃであっても、意図を持って提供したものと、何も考えずに提供したものとでは意味が違ってきます。その意図とは、たとえば「ものの形がわかるようになってほしいから、型はめのおもちゃを与えよう」というような親の願望ではありません。

こどもがそのおもちゃを選ぶこと、遊びに大人がしっかり関わることで、こどもはお母さんやお父さん、保育士などの大人と一緒に遊ぶなかで様々な知識を吸収していけるのです。

 


 

Q:ごっこ遊びとは?年齢によって遊び方も変わる?

A:0・1・2歳は「ひとり遊び」。2・3歳は保護者と「1対1」。4・5歳になると、こども同士の横のつながりが出てきます

年齢を問わず、すべてのこどもにとって「ごっこ遊び」はとても大事!それを念頭に、まずは年齢別のごっこ遊び方法を確認してみましょう。

 

年齢

ごっこ遊びの方法

0・1・2歳

ひとり遊びが中心

ひとりでしっかりと遊べることが大切な時期

2・3歳

保育者と1対1でのごっこ遊び

大人の力を借りてごっこ遊びをしながら、多くのことを吸収していく時期

4・5歳

こども同士で役割を作り、ごっこ遊びを楽しむ。自分が体験してきたことを体現できるようになる時期

 

ごっこ遊びがはじまるのは、2・3歳のころ。
こどもにとってもっとも身近な「お母さんごっこ」が、第1歩です。

 

保育園の3歳児クラスでは、ひとり遊びから、先生とこどもの1対1の関わりが見られはじめます。この年齢では、まだ横の関わりがあまりできていないため、こどもそれぞれが、先生と1対1のごっこ遊びを求めます。

たとえば、あるこどもがごっこ遊びでご飯を作り、先生にあげると「あ~おいしかった!ありがとう」と喜ぶ、というやり取りをします。すると、ほかのこどももそれを見て、同じごっこ遊びをはじめるんです。

保育士にとっては同じことの繰り返しになりますが、そのこどもにとっては1対1の大切な関わり合いの時間。だから、延々と1対1のごっこ遊びが続きます。

 

そして、4・5歳になりこども同士の横のつながりができてくると、役割が増え、ごっこ遊びの空間も広がります。

お父さん役、お母さん役、きょうだい役、なかにはネコちゃん役のこどもがいたり、椅子を並べて部屋に見立てたり、玄関を作って決まった場所から出入りをしたり。

徐々にそれまで大人の介入が必要だったごっこ遊びから、こどもたちだけで楽しむごっこ遊びへと変化していきます。自分たちで遊ぶほうが楽しくなり、こどもたちのほうから離れていくんです。

 

このように、こどもたちはごっこ遊びという小さな社会生活のなかで、社会性や協調性、忍耐力、喜びといった感情などを身に付けていきます。

 


 

Q:ごっこ遊びは自然とはじめるもの?教える必要はない?

A:2・3歳のうちは、大人が入って一緒に遊ぶことが大切

2・3歳のごっこ遊びをしはじめる時期は、大人が入ってあげる必要があるでしょう。
たとえば、食べ物のおもちゃを口に入れて飲み込んでしまうなどの事故の危険もありますし、ヒーローになりきってお友だちにパンチやキックなどの危害を与えてしまう場合なども考えられます。

そのため、最初は大人が入って遊び方を教えてあげてください。

 


 

Q:ごっこ遊び用におもちゃやグッズを買い与えるのはOK?

A:こどもと一緒に考えて、身近にあるもので代用しましょう

ものを買い与えることは簡単です。しかし、ものがあふれている時代だからこそ、求めたらすぐに買ってもらえるという考え方はおすすめできません。

たとえば、

・丸いバケツをハンドルに見立てて、ドライブごっこをする

・ボディークリームに大人用の靴下を履かせ、滑りをよくしたものをストーンに見立ててカーリングごっこをする など

こどもなりに一生懸命考え、身近にあるもので代用する「見立て遊び」を上手にやってのけます。

だからこそ、すぐに買い与えるのではなく、大人もこどもと一緒に考えてごっこ遊びを楽しめる工夫をしてみてください。ただし、自宅でごっこ遊びをする際には、危険物を排除しておくことが大前提!こどもにとっては、あらゆるものが遊びの対象です。たばこや電池など危険なものは、こどもの目に届かない場所に保管しておきましょう。

 


 

Q:大人とこども、1対1のごっこ遊びを上手に終わらせる声かけの方法は?

A:終わらせる必要はなし!遊びを上手く切り替えてあげましょう

遊びを強制的にやめさせる必要はありません。一緒にできる方法を考えてあげるのがベストです。

たとえば、ママが夕食の支度に取りかかりたいのであれば、ごっこ遊びの役になりきったまま「次は、お料理でも作ろうかしら!一緒にやってみる?」など、こどもにごっこ遊びを止めたと思わせないよう、自然な流れで遊びを切り替えてあげるとよいでしょう。

5歳くらいになってきたら、時間を認識できるようになるこどももいます。

そうなったら、「今日は〇時まで遊ぼうね」と事前に約束してから遊ぶのとよいかもしれませんね。

 


 

こどもは大人と関わることでいろんなことを吸収するので、ぜひ一緒に遊んでみましょう

こどもと一緒に遊ぶこと、とくにこどもと大人で1対1のごっこ遊びをするのは、相当の体力が必要になり、本当に大変です!しかし、こどもは大人と関わることで様々なことを吸収します。

知育玩具やごっこ遊びは、ぜひ親も一緒にやってみてくださいね。

 

また、知育玩具やごっこ遊びに必要なおもちゃを選ぶ際には、こどもにとって本当に必要なもの、興味を持っているものだけを提供するようにしましょう。

こどもとしっかり関わり、意図を持って選ぶことで、知育玩具の効果がより一層得られるのではないでしょうか。

 

 

【記事の監修】

株式会社日本保育サービス 取締役 保育統括部 部長

髙久 仁(たかく ひとし)さん

保育士を志したのは年長児のとき。当時の気持ちを忘れず「こどもにとってあこがれの存在になる」べく、保育士の地位向上を目標に掲げている。複数の園で通算10年間園長も歴任。現在は本部での管理職だか、自身が保育士であると心にとめている

 

 

【記事の監修】

株式会社日本保育サービス 西日本ブロック ブロック長

柳 美沙(やなぎ みさ)さん

小学5年のときに保育士になると決めてから、実際に夢を実現し30年あまり。「一人の人間として尊重する」「心を折らない」をモットーに保育現場で務める。複数の園で園長も歴任。現場を熟知する視点から、現在は管理職として後進の指導にあたっている。