【現役保育士に聞く!】夏のお出かけをこどもと満喫するためのポイント
こんにちは!
全国で300施設以上の保育園と学童クラブ・児童館を運営している
日本保育サービスのグループ会社、日本保育総合研究所による子育て支援サイトコドメルです。
夏休みを楽しむために、お出かけを考えているご家庭も多いでしょう。
一方で、まだまだ暑い季節のお出かけは熱中症のリスクなども気になるところ。そこで、保育士の先生に小さなこどもと夏のお出かけを満喫するためのアドバイスを伺いました。
どんなポイントに気をつけて計画を立てたら良いか、夏のお出かけの注意点と対策もお伝えします。
この記事のPOINT
・小さなこどもとの夏のお出かけは「目的」をもって企画&場所選定をしよう
・外遊びは運動能力や体力アップのチャンス!外ならではの学びも多い!
・こどもの熱中症やケガには注意!事前準備と対策を工夫してリスクを回避しよう
夏のお出かけをこどもと楽しむコツは「目的」を持つこと!
暑い季節のお出かけを楽しむには、ちょっとした工夫が必要です。お出かけを企画する際に意識しておきたいポイントを教えていただきました。
Q:お出かけはどのようなポイントを意識して計画したら良いですか?
A:夏は目的をもってお出かけしましょう。場所探しも重要です!
こどもとの夏のお出かけは、「目的を決めて企画する」ことが重要です。ほかの季節と違って、夏は行き当たりばったりで出かけると、暑さで疲れてしまう、準備が足りず十分に楽しみきれない、といったケースがあります。
そのため、「プール」「屋外で水遊び」「昆虫採集」…など、まずは何をしたいか考えましょう。
目的を決めたら場所を設定します。楽しめることはもちろん、安全に過ごせるかどうかにも着目してくださいね。休息をとれる場所があるか、熱中症や虫刺されなどを回避できる場所があるかは大事なポイントです。
Q:お出かけ場所が決定したら次に決めることは?
A:時間を決めましょう。目的やお出かけ場所に応じてベストな時間帯があるはず!
こどもと一緒に出かける場所が決まったら、行く時間を考えていきます。プールであれば混んでいない時間帯、屋外での水遊びであれば日差しが強すぎない午前や夕方、昆虫採集であれば早朝など、快適に遊ぶためのベストな時間帯を考えてみてください。
お出かけでは寄り道も楽しいものですが、夏は暑いため長時間の外出には十分に注意を。「目的の施設が混んでいたらどうするか」など、先回りして代替案を考えておくことも大事です。
Q:ズバリこどもにとって外遊びのメリットとは?
A:運動能力や体力の向上を図れるところです。
外遊びにはさまざまなメリットがありますが、とくに注目したいのが運動能力や体力アップにつながるという点です。
エレベーターやエスカレーターの利用が日常的であることや、公園で活発に遊ぶ機会が減っていることで、運動不足の幼児 が近年多いのではないでしょうか。
都心に暮らすこどもはさらにその傾向が顕著と聞きます。外遊びで体をたっぷり動かす機会を作ることは、こどもにとって大変重要だと思います。
Q:ほかに外遊びで学べることなどはありますか?
A:外遊びはプロセスを体感したり、社会性を身につけたりする良い機会です。
外にあるのは自分の家にないものだらけ。外遊びはこどもの世界を広げる絶好のチャンスです。また、少し自分が努力しないとできないことに挑戦する良い機会にもなります。
たとえば、いまはクワガタやカブトムシを簡単に購入できる時代ですが、実際に自分で昆虫採集しようとすると、「いつ」「どこで」「どうやって」…とたくさんのことを考えます。
購入するのとは違い、仕掛けを作ったり、探す難しさや楽しさを味わったり、プロセスを体感できるのは「外だからこそ」でしょう。
公園などで知らないこどもと出会って遊ぶ経験も、社会性を身につける良い機会です。スマホなどの電子機器やゲームから離れる時間を作ることにもつながります。
Q:夏のお出かけで気をつけたいことはありますか?
A:こどもの熱中症には警戒を!事前準備で回避。
やはりこどもの熱中症に気をつけてあげたいですね。
お出かけの目的地を決めたら、休憩をとれる場所があるか、屋外施設でも涼しい場所があるかどうかをぜひ事前にリサーチしてください。
外出時に、飲料や体を冷やせるものを準備しておくことも大切です。暑い日はペットボトル飲料や、ゼリーを凍らせて持ち歩く、ミニ扇風機などの便利グッズを活用するのも良いですね。
甘い飲料を凍らせると、溶けはじめの濃い味が気になりませんか? ゼリーであればこの現象が起こらないので、個人的には凍らせたゼリーを持ち歩くのがおすすめです。
室内でも脱水症状は起こるので、水分補給は「のどが渇く前に飲む」ことを意識していただきたいですね。昔から言われていることですが、朝ごはんや昼ご飯をしっかり食べることも大切です。
通気性の良い服を選び、お出かけの際は汗を拭き取れるタオル類や着替えも十分に用意しておきたいですね。
ちなみに、こどもの肌トラブル回避のために保湿も重要ですよ。準備や対策をして、たっぷりと汗もかきましょう。
Q:お出かけ先での安全への配慮はどうすべきでしょうか?
A:まずはしっかりリサーチを。
「こどもに豊かな経験をさせてあげたい」、「自然のなかでのびのびと主体的に過ごさせてあげたい」と考えているパパママは多いでしょう。一方で、こどもに自由に行動させることは危険と隣り合わせでもあります。
お出かけの際は、まずは保護者が事前に危険な場所やリスクを把握しておくことが大切です。夏のケガや水遊びのリスクなどを十分に理解して、配慮したいですね。
パパやママから事前に注意点を伝えておく、安全に遊べるよう「お約束」を決めておく、といったこともポイント。危険なく遊べたら、褒めてあげることも忘れずに。
Q:コロナ対策についてはどうお考えですか?
A:人混みを避けるなどの工夫を。
一昨年、昨年と比較すると、だいぶお出かけムードが高まってきたように感じます。夏はこどもに様々なことを体験させてあげられるチャンスと考え、遠出を企画する家庭も多いのではないでしょうか。幼児期の今しかできないこともあるでしょう。
人が多い場所へお出かけする際は、できるだけ密を回避できる時間帯を選びたいところ。目的をもって、十分な対策を講じたうえで外出したいですね。(2023年7月時点での回答です)
Q:夏のお出かけに役立つグッズがあれば教えてください
A:首の後ろを守れる帽子や冷感グッズはあると便利です。
熱中症への対策として、首の後ろを日差しから守ることができる、タレつきの帽子がおすすめです。なければ薄手のタオルを巻くなどの対策も良いですね。
いまはベビーカー用の冷感マットなども充実していますので、上手に取り入れると良いでしょう。ただし、グッズに頼りすぎるのは要注意です。こまめにこどもの体調を観察し、水分補給も忘れずに行ってくださいね。
暑さ対策や水遊び用にサンダルもあると便利。こどものサンダルはホールド力を重視して選んでください。ビーチサンダルよりも、ストラップつきや、スニーカータイプの足首が固定できるものだと安心です。
遊具などでアクティブに遊ぶときや、虫刺されが心配なときはスニーカーに履き替えるなど、臨機応変に活用してくださいね。
やさしい成分の日焼け止めや、虫よけスプレー、虫よけパッチもお出かけの際に役立ちます。
Q:夏のお出かけに役立つ衣類があれば教えてください
A:日差しや冷房、虫刺されから肌を守れる長袖衣類も大切です。
皆さん夏は涼しい服装を意識しますが、商業施設などでは空調が効いていて「外は暑いけど室内は寒い」といったこともありますよね。
お出かけの際は、こどものために1枚羽織れるような衣類を準備しておくと安心です。UVカット機能があるパーカーやカーディガンなどは、日差しが強いときに日焼け対策としても活用できるため一石二鳥ですよ。
また、自然のなかで遊ぶ場合は、半ズボンよりも通気性の良い長ズボンを選ぶほうがケガや虫刺され対策となります。
◆こどもとの夏のお出かけは計画と準備を万全に!
小さなこどもとの夏のお出かけは、目的を明確にすることが楽しむコツ。やりたいことを決めたら、こどもとのお出かけに適した場所や時間を決めていきます。
熱中症やケガなどのリスクを減らすため、事前にしっかり準備しておくことも忘れずに。夏ならではの遊びを上手に取り入れて、充実した時間を過ごしてくださいね。
【記事の監修】
アスクねりま三丁目保育園 園長 エリア長 20年以上にわたる保育士のキャリアを活かし、現在は管理職として、よりよい保育環境の実現をめざして保育園の運営に従事。 |